膝の痛みで整形外科に行くと骨の変形や軟骨がすり減っている場合の治療法としてヒアルロン酸注射があります。
実は2021年より股関節にもヒアルロン酸注射が保険診療として認められました。
股関節の痛みに効果があるのか気になっている方も多いようなので股関節に対するヒアルロン酸注射について解説していきたいと思います。

ヒアルロン酸注射の効果

股関節のヒアルロン酸注射の効果は個人や状況によって異なりますが、一般的には以下のような効果が期待されます

痛みの軽減

変形性股関節症や関節炎などの関節疾患によって引き起こされる痛みを軽減する効果が期待されます。ヒアルロン酸注射によって関節内の潤滑性が向上し、関節の動きが改善されるため、痛みが和らぐことがあります。

関節の潤滑作用の改善

ヒアルロン酸は関節内の潤滑液の主要な成分であり、関節の摩擦を軽減し、関節の動きをスムーズにします。ヒアルロン酸注射によって、関節内の潤滑作用が改善され、関節の快適な動きが回復することが期待されます。

関節の炎症の軽減

ヒアルロン酸注射は関節内の炎症を軽減する効果もあります。関節炎や関節疾患に伴う炎症が軽減されることで、関節の痛みや腫れが減少し、患者の症状が改善される可能性があります。

日常生活の快適性の向上

ヒアルロン酸注射によって関節の機能が改善され、痛みや不快感が軽減されることで、日常生活の快適性が向上することが期待されます。例えば、歩行や運動がより楽になることで、患者の生活の質が向上することがあります。

膝関節のヒアルロン酸注射と効果の違い

膝の痛みに対してヒアルロン酸注射を打ってもらったり、家族や知人で注射したという話を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。
一般的に、股関節と比べて膝関節に対するヒアルロン酸注射の効果がより感じやすいと言われています。
注射の効果は個人差がありますがなぜ股関節のヒアルロン酸注射が効果を感じにくいのかを解説していきます。

関節の構造と運動範囲の違い

股関節は複雑な構造を持ち、膝関節よりも運動範囲が大きいです。そのため、股関節にヒアルロン酸を注入しても、関節のすべりや動きを改善する効果が膝関節ほど感じやすくない場合があります。

変形の進行度の違い

変形性股関節症の場合は膝の変形と比べて進行が進んでから症状が出る事が多いです。
股関節の変形性関節症や関節炎が進行している場合、すでに軟骨や関節組織に深刻な損傷があることがあります。そのような状況では、ヒアルロン酸注射の効果が限定される可能性があります。

注射の難しさ

股関節は膝関節よりも深い位置にあり、注射を行うのが難しい場合があります。
超音波機器(エコー)を用いながら正確にヒアルロン酸を関節内に注入していく必要があります。
注射の正確な位置への到達が難しいと、効果が十分に発揮されない可能性があります。

まとめ

膝関節にも同じ事が言えますがヒアルロン酸の効果は一時的な痛みの緩和であり軟骨を再生させたり骨の変形を改善する効果はありません。
とは言っても毎日痛みに悩まされている状況においては一時的でも痛みが軽減される事を期待してしまいます。
まだまだ積極的に勧めることができる治療法ではありませんが今後より注射方法が簡易化されて効果的な注射方法が確立されていく事を期待したいです。